|
“鉄観音茶”という名は日本人なら誰でも聞いたことがあると思いますが、この「安渓鉄観音」は、やはり中国でも名高く、西湖龍井茶や碧螺春、黄山毛峰、大紅袍などとともに、十大銘茶の一つとされています。また、数ある青茶(烏龍茶)の中でも、名実ともに最高級のものの一つといっていいでしょう。
「安渓」とは、福建省南部の場所の名前であり、古くから上質な茶樹を産することで知られています。また、「鉄観音」とは、茶樹の品種名であり、鉄観音種の茶樹は枝ぶりがよく、葉は深緑色で厚く、葉脈も発達しているのが特徴です。鉄観音種の茶樹は、安渓産のものが最も上質とされており、その茶樹から作られる最上級のお茶が安渓鉄観音なのです。
お茶を淹れたときの水色は、琥珀色。まるで蘭の花を思わせるように香りが強く、その香りは7煎まで持続すると言われるほどです。また、味は、甘みとコクが強く、濃厚なのが特徴です。清く爽やかで優しい凍頂烏龍とは、まさに対照的(私たちは、講習会などで多くの方に安渓鉄観音と凍頂烏龍の2種類を飲み比べてもらうのですが、面白いことに、およそ五分五分で、人によって好みが分かれます)。ぜひ飲み比べてみることをお奨めします。
「安渓鉄観音」は、中国福建省安渓県産の高級鉄観音茶葉のみを原材料に使用したウーロン茶です 。安渓県は、標高600〜1000メートルの山並みが続き、日当たり、風通しのいい山間部にはお茶畑が広がっています。気温、降雨量、土壌ともに茶葉栽培に最適の土地です。本品は、その安渓で半発酵、焙煎して作られました。「キングウーロン茶」と呼ばれ、清らかな蘭の花のような香りで、ほろ苦さの後に甘さが広がる風格のある、明るいオレンジ色をしたお茶です。油分の多い料理を召し上がった後にぜひお召し上がりください。本品の香り、味、色をお楽しみいただくため、急須での入れ方をお薦めします。
等級:特級 ★★★★★★ 火焙度:重火焙
●安渓鉄観音 濃香(ノンシャン) 香りは濃密、そして端正な味わい。 日本で、中国茶ブームの主役」をつとめたのは実は、発酵度30%くらいの清香タイプでした。今までの茶色い中国茶、烏龍茶のイメージを打ち破る役目を果たしてくれました。 本来は発酵度40%くらいで焙煎をしっかりするのが伝統的な製法なのですが、今では本場の安渓、都市部のアモイでもすっかり発酵の浅いタイプが主流になっています。 が、しかし… 私も、すっかりこのこのチンシャン(清香)タイプになじんでいましたが、買い付けに訪れたあのアモイの街で、伝統的な発酵度(40%くらい)のノンシャン(濃香)の鉄観音を口にしたときのことです。 「ハッ!」そして「……。」 思わず姿勢を正して、味わいをかみ締め(?)ました。 なんて、端正な味わいだろう! 香りは甘く濃密だが、媚びがなく、味わいは素直で、堂々としている。 同じ鉄観音といっても、こんなにも世界が違うものなのか…。 そして違っていながらもまごうことなく、あの鉄観音の風格を等しく備えている。 今また、この濃香タイプが、とても新鮮さを感じさせるようになっています。 しっかり焙煎しているこのタイプのほうがお腹にもやさしく、健康的だとも言われます安渓鉄観音農香(てつかんのん・ノンシャン)。表情も豊かで、奥行きがある。 しばらく呑み続けて、その奥のほうをのぞいてみたくなるお茶です。 |